物質工学科

学科設備

物質工学科は,物質工学棟,生物工学棟,ミニプラント室からなり,それぞれの部屋に以下の機器類が設置してあります。これらの装置は学生実験,卒業研究,教員研究等に幅広く利用されています。ここでは設置してある装置のうちの一部を紹介します。

ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)

ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)

有機化合物の質量を分析できます。また、多成分を含む試料であっても、それぞれの成分の分析が可能です。分析できる化合物は分子量がおよそ1000以下の化合物で、脂質、残留溶媒、残留農薬などの分析が可能です。

核磁気共鳴分光装置(NMR)

核磁気共鳴分光装置(NMR)

強力な磁場の中に試料を置くことによって、化合物の構造を知ることができます。さまざまな原子を含む化合物の分析が可能ですが、主に有機化合物、例えば、オレンジの香りの主成分リモネンや頭痛薬の主成分アスピリンなどの構造を知ることができます。

フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)

フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)

分子に赤外線(IR)を照射すると、その分子を作っているさまざま結合を振動させることができます。それぞれの結合を振動させる赤外線は決まっていますので、分子にどんな結合があるか知ることができます。主に有機化合物の構造を決定するのに役立ちます。

紫外可視分光光度計

紫外可視分光光度計

この装置を用いると、化合物や材料が、どの波長の紫外線・可視光線をどのくらい吸収するか調べることができます。例えば、サングラスが紫外線を吸収することができるか、葉緑素(クロロフィル)がどの波長の太陽光を吸収するか分かります。

ガスクロマトグラフ

ガスクロマトグラフ

気体になりやすい有機化合物の定性・定量分析ができます。この装置の中には揮発しにくい物質を塗ったキャピラリーカラムが入っており、この物質と有機化合物の親和性の差によって、出口で化合物が一つずつ検出できます。一度に数百種類の物質を検出できます。

高速液体クロマトグラフ

高速液体クロマトグラフ

液体に溶けた物質の定性・定量分析ができます。ガスクロマトグラフは物質を気体にして検出しますが、高速液体クロマトグラフは液体のままでカラムとの親和性の差を利用して物質を検出します。

示差熱・熱重量同時測定装置

示差熱・熱重量同時測定装置

示差熱とは物質が吸収したり放出したりする熱のことです。また熱重量とは物質を加熱した時の重量の変化を意味します。示差熱・熱重量同時測定装置とは、物質を最大1500℃まで加熱し、加熱中の示差熱と熱重量を同時に測定する装置です。この測定結果から加熱による物質の分解反応を詳しく観測し、物質の構造や化学反応性、安定性などを知ることができます。

キャピラリー電気泳動装置

キャピラリー電気泳動装置

キャピラリーとは髪の毛程に細い管のことを意味します。また電気泳動とは電気の力で化学物質を移動させ、それらの移動度の違いから化学物質を分離・分析する手段のことです。キャピラリー電気泳動装置は非常に細いガラス製の管の中で化学物質を電気泳動することで、化学物質を精密に分離分析する装置です。例えば食品のようにたくさんの種類の化学物質が混ざった溶液の分析に威力を発揮します。

レーザー回折式粒度分布装置

レーザー回折式粒度分布装置

固体や液体の粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光のパターンから、粒子の粒度分布を測定する装置です。数百ナノメートルから数ミリメートルまでの大きさを測定することができます。

恒温恒湿器

恒温恒湿器

装置の中を一定温度、一定湿度に保つことのできる装置です。内部にはコンピュータ制御された電子天秤が設置してあり、材料の吸湿特性(吸水能力)を一定時間毎に自動的に測定することができます。

ICP発光分光光度計

ICP発光分光光度計

この装置は水溶液中に含まれている様々な元素を定性的、定量的に測定することができます。アルゴンガスを用いてプラズマを発生させることで金属を燃やし、原子価させます。基底状態に戻る際の発光スペクトルから元素の同定や定量を行う方法です。また、単一元素の測定(同定、定量)も可能です。

原子吸光光度計

原子吸光光度計

この装置はアセチレンガスを用いて元素を加熱し原子化します。光を照射して元素の吸収を測定し、その吸収から濃度を計算します。元素によって照射する光の波長は異なりますので、測定する元素に合ったランプが必要になります。用例としてはカルシウム、マグネシウムの濃度を調べ水の硬度を決定することが挙げられます。

接触角・表面張力計

接触角・表面張力計

この装置は液滴法により表面張力、界面張力や接触角を測定する装置です。接触角は液滴法、表面張力と界面張力は懸滴法(ペンダントドロップ法)を用いて測定します。

インピーダンスアナライザー

インピーダンスアナライザー

インピーダンスとは交流電流の抵抗値を意味する言葉です。インピーダンスアナライザーは電子素子の抵抗やコイル、コンデンサ等のインピーダンスを精密に測定することができます。電子材料や素子、電気回路の開発には欠かせない機器です。また溶液中の化学種の性質を知ることができるので、化学反応がどのように起こっているのかを分析するためにも使えます。

波長分散小型蛍光X線分析装置

波長分散小型蛍光X線分析装置

物質にX線を照射した際に放出される蛍光X線を測定することで物質を構成する元素の分析や目的元素の濃度を求めることができます。鉱物や金属、生物学試料の組成分析に広く用いられています。

全自動水平型多目的X線回折装置

全自動水平型多目的X線回折装置

試料にX線を照射した際、X線が原子の周りにある電子によって散乱、干渉した結果起こる回折を解析することを測定原理としています。 この回折情報を用いることにより、粉末試料では、構成成分の同定や定量、結晶サイズや結晶化度、薄膜試料では、密度や結晶性、結晶軸の方向や周期、ナノスケールの粒子の大きさや形状・粒径分布を知ることができます。

レーザー共焦点・全反射顕微鏡

レーザー共焦点・全反射顕微鏡

蛍光染色した細胞や、タンパク質を高分解能で観察することができます。顕微鏡用培養装置と併用することで、長時間での細胞の観察も可能です。また、TIRFユニットを搭載していますので、低いバックグラウンドの条件下で観察することもできます。この顕微鏡では405 nm、473 nm、559 nmのレーザーを使用することができます。

クリーンベンチ

ベンチ内は菌がいない状態に保たれており、細菌や培養細胞を無菌的に取り扱うことができます。

情報公開責任者: 物質工学科長