【校長挨拶】令和 7 年年頭挨拶「一年の計は元旦にあり」 2025.1.6
令和7年1月6日
学生・保護者の皆様
校長 田村 隆弘
令和 7 年年頭挨拶「一年の計は元旦にあり」(校長挨拶)
皆さん、令和7年、あけましておめでとうございます。
お正月は、ご家族や友人とのんびり過ごせたでしょうか。
あるいは、お正月はお宮参りなどして、今年一年の計画や志を神様に誓った方もおられるでしょうか。ぜひ志を持って充実した一年にしましょう。
"初心、忘るべからず"、良く耳にする言葉ですが、この言葉の起源には2つの説があるそうです。
一つは、戦国武将、毛利元就の言葉とする説。毛利元就が息子に「一年の計は春にあり、ひと月の計は朔日(ついたち)にあり、1日の計は鶏鳴(けいめい:一番鶏が鳴く時)にあり」と、話したとあります。年の初めや月の初め、そして、朝一番に志を立てなさいということです。
もう一つは、中国の明の時代の学者「馮應京(ひょうおうきょう)」という人の言葉という説で、こちらは、
一日之計在晨 (一日の計は晨(あした:朝)にあり)
一年之計在春 (一年の計は春にあり)
一生之計在勤 (一生の計は勤(つとめ)にあり)
一家之計在身 (一家の計は身(シン:自分自身)にあり)
とあります。
朝や春という最初の2つの計は、毛利元就と同じ内容です。3つ目の「一生の計は勤めにあり」、つまり、勤労、働くことにありと、4つめの「一家の計は身にあり」、こちらは、一家の計は、健康にあるという意味です。働くことと健康が人生で大切な要素であることを上手に伝えています。
こうした言葉が現代まで伝わっているということは、いつの時代にも大切なことは、同じということでしょう。学生時代は、これから社会人として勤めるための準備の期間ですが、知識や技術を身につけると同時に健康づくりも大切です。体育授業はもとより、健康の観点から適切な食事と適度な運動について意識しましょう。
さて、年末からお正月にかけても、さまざまなニュースも流れていました。世界各地で戦争や紛争が起きていること、昨年の元旦の能登半島地震では、今なお不自由な避難生活を送っておられる方が復興に努力しておられる事などご覧になられたかと思います。
どうして、人間同士で平和な社会を築くことが出来ないのか。あるいは、大自然の力に対して、安全な社会を築くにはどうしたら良いのか。いずれも、私たち人類の永遠のテーマです。ぜひ、皆さんも考えてみてください。
私は、学生の皆さんの約3倍から4倍生きてきましたが、これらの問題に対して、その答えはこうですと、簡単にはとても言えません。
ただ、長く生きて来て思うことは、人間関係の問題には様々な要素や利害が絡み合っていて、とても簡単には答えが出せないものも多くありますが、日常における"相手を思う心"が、トラブルの抑止に繋がり、また、トラブル発生時には解決の方向に向かわせます。目の前の相手が、「なぜ、そんなことをするのだろう、そんなことを言うのだろう」、「彼または彼女も一所懸命に生きている」と、相手の言動の背景にあるものを考えることが大切です。
一方、自然災害は、自然現象が人類に災いをもたらすことを言いますが、自然に心がある訳ではなく、ただ、自然がある種のエネルギーバランスを取ろうとする現象です。したがって、この現象が、人類にとって災害となるのは、人類が自然のエネルギーバランス現象をまだ理解していないか、それに逆らっていることによるものです。したがって、こちらは科学と技術によって、すなわち、皆さんが今、志を持って学んでいる科学技術によって、被害を抑制することができるようになります。
皆さんが本校を卒業して平和な社会、安全な社会を支える人となるよう、本年度も残り3ヶ月、そうした"思いやりの心と、科学技術を学ぶ志"を持って、頑張ってください。我々教職員も、皆さんに叱咤激励しつつ伴走させていただきます。