PICKUP NEWS

【校長挨拶】令和 6 年度前期終業にあたって 2024.8.8

                                      令和6年8月8日

学生・保護者の皆様

校長 田村 隆弘

令和 6 年度前期終業にあたって(校長挨拶)

 本年度の前期も今日で終わりですが、充実した前期を過ごすことができたでしょうか。んー、あんまりという方は、ぜひ、これからの夏休みを充実したものにしてください。
 パリオリンピックも終盤になりましたが、日本の選手も素晴らしい活躍をしていますね。高専体育大会九州地区大会の結果も順次届いています。全国大会へ駒を進められた選手の皆さんには、ぜひ、さらに高い目標に向かって頑張ってください。また、惜しくも全国へ行くことができなかったクラブもお疲れ様でした。これから、新チームとなって活動が始まると思いますが、ぜひ、捲土重来、来年こそは全国優勝の思いで青春を謳歌してください。

 さて、NHKの番組でプロジェクトXというのをご存知の人も多いかと思います。黒部ダムの建設工事など日本の高度成長を支えた人たちやさまざまな分野で活躍した人を取り上げる番組ですが、今、新プロジェクトXという形で番組が復活しています。最近の放送の中では、今回のパリオリンピックに出場する選手も取り上げられましたが、少し前には、カメラ付き携帯を開発したエンジニアの高尾慶二さんが取り上げられました。この方は実は佐世保高専の卒業生です。彼は、高専卒業後、さらに大学で勉強し、そして、車のメーカー「マツダ」に就職します。そこで自動車走行中の衛星通信技術に関する研究をしていましたが、携帯電話の開発を命じられて東京デジタルホンという会社に出向します。
 しかし、彼は、これを左遷、つまり、会社から追い出されたと考えるのではなく、面白そう、と考えたそうです。開発はもちろん簡単ではありませんでしたが、ついに完成させます。今みなさんが使っている、そして、世界中で使われているカメラ付き携帯の元祖です。
 まさにNHKがプロジェクトXで取り上げたくなるようなドラマがそこにあります。その他にもNHKが取り上げるテーマは、確かに社会に大きな影響を与えたプロジェクトや、そこにいる人が素晴らしい成果を出したものです。番組では、成功の陰に、困難を乗り越えた人の汗と涙があったことを伝えてくれます。思わず、感動したり、共感したりする視聴者も多いでしょう。私もその一人です。

 しかし、私は、ここに登場する人だけがプロジェクトXに取り組んでいるのではないと思います。全ての人、つまり人は誰しもが人生というプロジェクトXを遂行している最中にあると思います。
 大きな夢に向かって生きることも良いでしょう。
 しかし、小さなささやかな夢だって良いんです。
 夢なんて無くても良いかもしれません。
 生きていくことがプロジェクトX
 遠くの目標に向かっていくことも
 目の前の課題や仕事を片付けることも、
 一冊の本を読むことも
 あるいは、小さな草花を育てることも
 宮崎県を離れて大都市で働くことも
 宮崎県に残って働くことも、
 全てが、それぞれのプロジェクトXなんだと思います。
 一歩一歩、一瞬一瞬を、大切に生きましょう。

 本年度、後期にはまた様々なコンテストも開催されます。高専ロボコンは、10月に九州地区大会が行われますが、本年度は早水公園体育文化センターで本校が主幹します。大会関係の学生・教職員の皆さんにはご苦労様です。ぜひ、一般の学生の皆さんも、事前申し込みが必要ですが、応援よろしくお願いします。
 さらに11月には本校の開校60周年記念事業もあります。文化祭と連動させて盛り上げたいと思いますので、ご協力よろしくお願いします。これらも本校としてのプロジェクトXです。

 どうか健康や安全に留意しつつ夏休みを有意義に過ごし、気持ちも新たに後期を迎えてください。皆さんの活躍を大いに期待して、本年度前期終業のご挨拶といたします。

情報公開責任者: 学生課長