Reserch1
金属酸化膜の高速低温結晶化
本研究室が開発した金属酸化膜の高速低温結晶化成膜法は併用式スパッタリング法の1つであるRAS(Radical Assisted Sputtering)法を応用し、アモルファス表面(金属酸化膜)上に原子状酸素(ラジカル)励起を利用した核形成のステップとその核形成層の上に通常のRAS法を用いて低温下(100℃以下)で結晶性を有する金属酸化膜を堆積させる2段階ステップの成膜手法を特徴としています。この手法を使って、高速低温条件下におけるラジカルを用いた薄膜成長(特に結晶成長)メカニズムの解明を進めています。現在までにTiO2光触媒薄膜を中心とした様々な金属酸化膜のスパッタ薄膜構造とラジカルの化学アニーリング効果との関係を定量的に調査し、ラジカルの化学アニーリング効果に有効な薄膜構造の確立とその制御因子の抽出を行っています。
- 図1:RAS(Radical Assisted Sputtering)法原理図
(a) RAS成膜装置概略図
(b) RAS法の成膜プロセス
(c) 2段階ステップ成膜手法の概念図 - 図2:TiO2薄膜における
(a) 基板界面の結晶核層格子像と
(b) 基板界面付近10nm範囲でのFFT結果 - 図3:TiO2光触媒薄膜の光触媒特性
(a) 湿式分解性能試験評価法結果
(b) 油分解試験評価法結果