研究内容

発表論文

〜2000   2001〜2005   2006〜2010   2011〜2015   2016〜


機能性高分子微粒子の調製とその応用に関する研究

マイクロカプセルとは直径がマイクロメートルオーダー(1マイクロメートル=0.001ミリメートル)の非常に小さな容器のことです.マイクロカプセルの中に入れる物質(芯物質)とマイクロカプセルを形作る物質(骨格物質)からなっています.マイクロカプセルには大きく分けて多核型マイクロカプセルと単核型マイクロカプセルに分類されます.

 本研究室では,O/W(水に油が分散したもの)型エマルションやW/O/W型エマルションの液中乾燥法(骨格物質を一度有機溶媒に溶解して丸くした後に溶媒を蒸発させてマイクロカプセルを作る方法)または,in-situ重合法によりマイクロカプセルを調製しています.
 骨格物質には生分解性のプラスチックまたは合成高分子,芯物質にはタンパク質,塩類,その他用途に応じていろいろなものを使用しています.水溶性芯物質を使うときはW/O/Wエマルション,油溶性芯物質を使うときはO/Wエマルションを調製してマイクロカプセルを作っています.
 芯物質の内包特性やマイクロカプセル構造等に及ぼす様々な調製条件の影響を検討し,社会に役立つ材料の創製に取り組んでいます.

内部に入れた芯物質を徐々に放出させる(徐放機能)ことによって長期間の薬剤の効果が期待されます.他に以下に示すような様々な応用が考えられています.

●粉体制御
均一粒子,液晶のスペーサー

●内包制御
取り扱いの改善,変質防止,ノンカーボン紙(発色試薬の内包),コピートナー(インクの内包),人工イクラ,カプセル化接着剤(ボルト固定化)

●徐放制御
持効性薬剤(医薬品,農薬,肥料),ゴキブリ駆除剤,香料

●機能性付与
ドラッグデリバリーシステム,表示素子,分離機能材料(吸着剤,有害物質の吸収剤),環境応答機能(制汗剤:汗をかくと涼しくなるパウダー)